織田コレクションとチェアーズギャラリー
チェアーズギャラリーでは東海大学芸術工学部教授の織田憲嗣氏が収集された世界各国の椅子を常設展示しています。
織田氏は高知県の生まれで、大阪でイラストレーターとして活動するかたわら、椅子の研究家として北欧のものを中心とした近代以降の優れたデザインの椅子を収集してこられました。
1990年に「国際家具デザインフェア旭川」が初めて開催された際、テーマ展のために織田氏からコレクションの一部をお借りしたことがきっかけとなり、北海道東海大学(現東海大学旭川キャンパス)の招聘を受けて1992年に織田氏自身が数多くの収集品と共に旭川に移られました。
織田氏が所蔵する椅子の数は現在1,200脚を越え、ほかに図面や書籍、スケールモデルなど、椅子のデザインに関わる様々な資料も集められています。また、近年はその研究領域を椅子以外の優れた日用品にも拡げています。個人の収集した椅子のコレクションとしては世界でも最大規模で、ニューヨーク近代美術館やヴィトラ・デザイン・ミュージアムにも匹敵するばかりでなく、文献等の資料も含めて系統的に収集されているため、椅子のデザイン史の過程を研究する上でも第一級の資料として知られており、毎年多くのデザイナーや研究者、学生などが見学に訪れています。
当ギャラリーでは毎回テーマを決めて織田コレクションを中心とした椅子の展示を行っています。家具の中でも椅子のデザインは最も変化に富んでおり、多くのデザイナーによって様々なものが生み出されてきました。来館された皆様に椅子のデザインの美しさや面白さを感じ取っていただければ幸いです。