更年期障害





グラフにあるように40才を過ぎたあたりから卵巣にある卵胞が急減して卵巣の働きが弱くなりエストロゲンが急速に減少してきます。ホルモンの中枢(司令塔)は脳の視床下部にあり、そこがエストロゲンの低下で変調をきたし出します。ここ視床下部には自律神経の中枢(心臓の動き、胃腸の働きや体温の調節を司る神経)、情動の中枢(心のコントロール)もあり互いに影響しあっていますが、ホルモンの中枢が崩れることにより他の2つの中枢も変調をおこし、更年期障害特有の症状があらわれます。また、50才くらいは回りの環境もめまぐるしく変化する時期です。子どもの自立や親の介護なども重なり、多彩な症状を呈します。エストロゲン自体、心の安定作用があり、それが出なくなるのでいらいらしたり、落ち込んだり、人前に出ることをさけたりします。この3つの中枢は若い人でもストレスがかかった時に月経がなくなるということのように密接に影響しあっています。HRTで比較的はやく効果のある症状はのぼせ、ほてり、発汗異常、不眠症などで、効果の出にくい症状に冷え性があります。まず、2〜3か月使用してみて効果のない場合はエストロゲンの効果の薄い症状がメインの場合と、更年期障害の症状ではない例えば、うつ病とか”めまい”の可能性がありますのでそれぞれの専門医へ紹介しています。HRTは飲んですぐには効きません。少なくても2か月は効果発現にかかります。冷え性には漢方薬との併用が効果のあるときがしばしばあります。
インターネット上にも女性の健康についてのホームページがあります。





上の簡易更年期指数表にてあなたの更年期の過ごし方の判定がご自分でできます。

用語集
★エストロゲン。 卵胞ホルモン。女性の卵巣で作られる女性ホルモンで月経周期の前半に子宮内膜を増殖させる働きを持つ。
★視床下部。 上の図にあるように脳の中にあり、ホルモン、自律神経、や情動の司令塔がある。


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